【ストーリー】

俺の目的は別にあったんだけど、皆は楽しみに来ただけだったみたいだ。ともすれば簡単に見つけられるような殺風景な遺構で、昼に見つけたならなんでもない。夜中であってさえ、ひとまわりすればそれで終わりだ。

だが、俺は会いに来たんだ。会う方法も知っている。会うために必要なことも知っている。皆には悪いけど、これがとんでもないことになるかもしれないけど、どこへもやれない蟠りを抱えたまま、それでいて皆と何気ない日常を取り繕い続ける苦痛には変えられない。

でも目の当たりにしたそれは、あまりにも当然にそばにいたようで、なんだろう、蛇口をひねったら水が出る当たり前なことのように、すんなり受け入れられてしまった。今までの自分、いや、全ての人は、それがいることを忘れたフリをしていることを思い出した。

思い出したことは、はっきり言って後悔している。