定例稽古参加者募集

定例稽古とは

演技初心者のための基礎講座ですが、個性的な一人前の俳優を養成するためのものではありません。というのは、個性的もしくは卓越した実践演技を修得するには最低限のしきたりや肉体づくりが必要であるためです。しかもその初歩的な要素を修得するためには地道な努力を要し、また、演技を実践すべき精神性を説くには併せて1年の期間を没頭しなければなりません。この講座はその1年のためにあります。1年間で地力を作り、その後、独自の演技を見出す地盤を固められるという自信を養うことを目標としています。

基礎的な演技の実践は「理解、模倣、創造」の三原則を基に構築されます。方法論を学び(理解)、定められた演技をこなし(模倣)、それらを踏まえて個性を表現する(創造)の三原則です。中でも理解や模倣は修練の連続によってのみ成り立ちます。同じことを絶え間なく繰り返すことが無意味なようで何よりも近道です。先ずは立ち方から始まり、立ち方に終わります。立ち方とはその名の通り立っている状態という訳ではなく、演技を行ううえでの心構えや備え、振る舞い、呼吸のことです。これらが備わっていない俳優は見る人が見れば一目でその実力と振れ幅を見破られてしまうことでしょう。見破られるまでに要する時間はおよそ1秒。その1秒の時間のなかで、「出来る」と念を押される演技者になるうえで、立ち方は非常に重要な基盤です。立ち方を修得する為には地道なカリキュラムの下で身体と精神を構成していく必要があります。

以下にカリキュラムをまとめます。実施は主に下記の順序で行います。

呼吸を行う身体づくり

深呼吸、発声は30分と長い時間をかけて行います。 横隔膜を鍛錬することのみに特化した筋力トレーニングもまた30分行い、発声と含めて1時間余りを準備運動と称します。

言葉を発するということ

発声、滑舌からはじまり、文章を音読することから呼吸のタイミングを学びます。

身体を知るトレーニング(オートマティシズム)

自身の身体のイメージとその動きのイメージを想像し、イメージに沿ってゆっくりと身体を動かし続けることによって、反射的に身体が美しい動きを行うよう矯正します。美しい動きは自らのイメージの中にあります。また、自身の動きのイメージもまた、多種多様に増やせることを学びます。

感情の解放(感情六原則)

感情の起こりは、気分が身体を変化させることから起こります。脳内で感情を起こそうとするのではなく、身体の変化が感情を起こすよう、「気分」の基底を探ることに着手します。大まかに分けて、喜び、悲しみ、怒り、怯え、躁、鬱の気分の変化、身体の状態を知ります。

ニュートラルを学ぶ

ニュートラルとは「中立」の意味ですが、「どこにもいかない」、「どうにもならない」という含みがあります。演技は様々な感情や論理から成り立ちますが、そのどれをも発しないことがニュートラルの醍醐味です。役者の固定観念や特定の癖を炙り出し、それらを敢えて起こさないことで、役者自身の最も自然な状態を探します。感性や抑揚を表現するためには、まずはそれらの表現をゼロに出来るかどうかのところから始めなくてはなりません。

大は小を兼ねる

大きな声で喋ることが出来るから、小さな声で喋ることが出来る。速く正確に喋ることが出来るなら、ゆっくりとより正確に喋る事も出来る。という観点からさながら矯正ギブスをつけたように、より難しいところから始めます。これはいわば荒療治とも取れますが、厳しい課題は役者の成長を素早く促します。

1-5のスピード

5 最大最速の音量で、最小限の動き (火急)
4 大きく速く声を出し、頻繁に動く (迅速)
3 全てのスピードをブレンドしつつ、最適な行動の選択 (ルーチン)
2 無理のない声量に適度な口調、リラックスした動き (安定)
1 必要以上に遅く、小さな音量で、正確かつ緩慢に動く (緻密)
以上のスピード感覚のなかで演技を行います。基礎的な面では5、4、1のスピードで身体を慣らし、3、2を行う応用的な演技へと移行します。

観察、感知、発露のスピード
(ファーストインプレッション→ファーストアクション)

脳の反応が声と身体へスムーズに移行するように、限定された条件下で集中力を養います。

タイミングとセンスを養う

センスとは産まれ持った才能のように思われますが、鍛錬によって培われるものでもあります。それらには様々な方法論があり、「自分にはセンスが欠けている」と思う人ほど役に立つものです。センスが無いなら科学的、心理的な側面からその感覚のIQを高めていく方向性があります。意識の方向性(ベクトル)、受容と拒絶、能動と受動の駆け引き、能動へのアピール、空間把握、スキンシップによる会話、説得力と包容力、感嘆と間、など、それらの方法論は確立されたものです。

欲求と疑問

最後に、演技を伸ばすには疑いを持つことが必要です。「まだ不充分だ、もっと正確にやらなければ」という自律心と、「もっと伝えたい、もっと相手の気持ちを変えたい」という欲求を常々持つことが必要です。これらの成長には精神論と、なにより取り組みの真摯さが一番です。

以上は1年の期間の中で、毎週木曜日に1日4時間程度の頻度で行うカリキュラムです。


講師:宇野正玖(うのまさひさ)

1980年生まれ 川崎出身。早稲田大学卒業。
2008年度日本劇作家協会新人戯曲賞優秀賞受賞、 書籍化。
つかこうへい養成所を経て、劇団を設立。自身の劇団及び外部での演出・演技指導、脚本製作などを請け負う。「役者の成長は人間的成長なくしてありえない」を標榜し、実際の訓練の現場において、役者一人ひとりのクセや思考を細やかに観察しそこからさらに良いパフォーマンスを引き出すために真摯に向き合う指導スタイルは役者を爆発的に成長させ、人間として魅力的な存在に昇華させる。


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